PROJECTSTORY 02

『CAMSTA』篇

「職場の見える求人メディア」の
新たなカタチ。

なかなか見えない、歯科医院の中身。

2018年6月に、歯科衛生士のための求人動画サイト『CAMSTA』がオープンする。そのはじまりは「職場のホントの姿が分かる方法ってないのかな」という歯科衛生士を目指す学生たちの言葉からだった。

歯科医院は密室。つまりスタッフ同士の距離が近い上に、一緒にいる時間も長い。その分、一般企業よりも職場の雰囲気や人間関係を重視する学生が多いという。「学生たちは、ネガティブチェックをしているんですよ」と中山は話す。ネガティブチェックとは、良い点ではなく悪い点や不安要素を探すこと。求人マガジンや歯科医院のサイトに書かれた「アットホームな職場です」「和気あいあいとしています」などといった情報は鵜呑みにせず、そこに書かれていない要素を深読みする。懐疑的になってしまうのは間違った選択をしたくないから。学生たちは、職場の本当の姿を見たいと思っている。医院見学で院内の様子を直接確認することはできるが、見せてもらえるものも真実かどうかわからない。また、一度見学に行くと面接の案内などをされてしまうため、軽い気持ちで訪問できるものではない。彼女たちは医院見学をする前に院内の様子をあらかじめ知っておきたいのだ。しかしその情報は求人メディアの文言でしか得られない。文字での情報と医院見学。このふたつには大きすぎるギャップがあった。

ドキュメンタリータッチの動画をつくる。

さて、このギャップに対してクオキャリアができることはなんだろう。中山は歯科衛生士求人サイト『クオキャリア』のアクセスデータを見ながら考える。『クオキャリア』で特に閲覧されているのは若手歯科衛生士のインタビュー記事だ。自分と歳が近い若手歯科衛生士がどのように現場で働いているのか、やはり学生は興味があるのだろう。記事を多く掲載している歯科医院は、スタッフが辞めずに長期間働いていることがわかる。ここでふと、思いつく。「これが動画だったら、もっと職場環境の理解を深めることができるんじゃないか?」。CMのような作られた動画ではなく、ドキュメンタリータッチのものをつくる。歯科医師や歯科衛生士がその医院で日々どのように働いているのか、スタッフ同士の空気感など、記事では伝えきれないものも伝えられる。これだと思った。後日、中山はある社員に声をかけた。「歯科衛生士の求人動画サイトをつくろう」。

動画が歯科医院の意識を高めていく。

自社メディアを制作しているクオキャリアはクリエイティブへの知見が広い。そのため、動画の撮影から編集まで全て自社でまかなうことができる。動画は作為的な、わざとらしいものでは意味がない。歯科医院で働いている方々のありのままの姿を映すように工夫した。セリフも作り込まず、なるべく本人の口から出た言葉を使用する。スタッフが休憩する控室も学生が見たいと思うところのひとつだ。一軒一軒、それぞれの歯科医院の良さがわかるように撮影していった。学生たちは、動画を見ることでその歯科医院に興味を持ち、その結果エントリーや医院見学につながる。また、動画は歯科医院側にも影響を与えた。動画を撮影することで、職場改善への意識が高まっていったのである。いままで職場環境について意識していなかったが、動画撮影を通して問題や改善点などが見つかったと話す歯科医師もいたという。

クオキャリアは求人メディアにとどまらない。

歯科衛生士のための求人動画サイト『CAMSTA』は2018年6月のオープンに先駆け、昨年11月にプレオープンとして撮影した幾つかの歯科医院の動画を先行公開し、『雰囲気グッドAWARD2017』を開催。求職者に動画を視聴してもらい、雰囲気がいいと感じた歯科医院にポイントを付けてもらった。「やはり、自分の言葉で語ったインタビューシーンやスタッフ同士の本物の関係性が見える動画には反応が多かったですね」と中山は話す。公開性が信頼性を高めていくのだ。クオキャリアは創業から「職場の見える求人メディア」を意識してきた。今回の『CAMSTA』も求職者と歯科医院の採用マッチングを高める良いツールとなっていくだろう。また、中山はさらに新たなプロジェクトも視野に入れている。求職者だけでなく、患者に向けた動画コンテンツだ。患者が歯科医院を探す際も、院内の様子や歯科医師との相性など求職者と同じように見えない院内に不安を抱いている。それを動画で解決するという。「まずは『CAMSTA』で実績をつくってから、患者向けのコンテンツに挑戦していきたいですね」。そう語る中山は、楽しそうに笑った。

「CAMSTA」篇

PROJECT MEMBER

  • 代表取締役
    中山 豊

  • 動画事業部
    マネージャー

    松原 秀樹

  • 動画事業部
    クリエイティブディレクター

    池 晶鉉

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