PROJECTSTORY 01

『採用担当』篇

問題から生まれた、
クオキャリアの
主力サービス。

2年目に起きた問題とは。

「歯科医院それぞれの採用担当になろう」。
クオキャリアを立ち上げて2年目に差し掛かるところだった。歯科業界の採用活動の現状を目の当たりにした中山は、新サービスである『採用担当』を立ち上げる。

歯科衛生士のための求人広告会社として活動を広めていたクオキャリア。歯科業界の求人マガジン『クオキャリア』を制作することは業界内でも画期的であり、クオキャリアの名前は徐々に歯科医院の間で広まっていった。契約数もそれに伴って増えていったが、ここで問題が一つ。求人広告を出したは良いものの、求職者と歯科医院のマッチングが上手く行われていなかったのだ。まだ社員数が少なかった当時、中山は自ら歯科医院に足を運んだ。「正直、求人広告に何を書けばいいかもわからないんですよ」。歯科医師から言われた一言に中山はハッとした。そうか、マッチングが上手くいかないのはここに原因があったのか。

歯科医院の採用担当者になる。

これまで、歯科医院のほとんどは家業として営まれてきた。父が歯科医師、母が助手兼受付を行っている。そんな体制であっても地域の人たちが虫歯を治しに押し寄せた。しかし、時代も変われば事情も変わる。現在、歯科医院の数は6万8000軒。コンビニの1.5倍もの数まで増加していった。歯科業界は予防歯科やホワイトニングなど虫歯以外の治療のニーズを獲得していったのである。それと同時に、歯科医院は「患者に選ばれる歯科医院」にならなければいけない。そのためには近親者ではない歯科衛生士を雇い、マネジメントする必要があった。しかし突然そういった状況になったからといって、すんなりと採用活動を行えるはずがない。求人広告を出すのはいいものの、自院の強みや採用のタイミングさえもわからなかったのだ。「求人広告の枠だけを売る今までのやり方ではいけない」。そんな状況を目の当たりにした中山は、新サービス『採用担当』を考えた。歯科医院に代わって強みや求める人材を分析し、その歯科医院に合った採用活動を行うこのサービスは、後にクオキャリアの主力サービスとなる。

さらに深まる新サービスの必要性。

「歯科医院それぞれの採用担当になろうと思う」。当時の社員たちを集めて中山は話す。マッチングの成功率を高めるため、社員たちも二つ返事でこの新たなサービスの立ち上げを受け入れた。まず、歯科医院の採用活動の行動計画を設計するためには、歯科衛生士の求職者がどのような就職活動をしているのか知る必要がある。調査してわかったことは、歯科衛生士の採用活動は2期に分かれており、秋から年内にかけてと、国家試験後の3月中旬から4月にかけて行われていることだった。後者の3月中旬から4月にかけて約2週間というタイトなスケジュールも、求職者と歯科医院のマッチングが上手くいかない原因の一つになっていた。さらに当時の歯科衛生士専門学校は国家試験に受かることが最終目標であり、就職活動にあまり積極的ではなかったため、学生にとって大きな負担になっていた。この負担を解消するためにも求職者と歯科医院のマッチングを高めなくてはと、歯科業界の採用活動の現状を知るたびに中山は『採用担当』の必要性を感じていた。
2期に分かれた採用スケジュールのもと、それぞれの歯科医院にヒアリングを行いながら通年での戦略を立てていく。『採用担当』の評判は上々であった。求人広告の枠だけを販売していた頃よりもはるかにマッチングの成功率が上昇したのである。歯科医師から「来年もまた、よろしくお願いします」と信頼を寄せる声も数多く上がった。

これからは質をより高めていく。

「『採用担当』がなかったら、当社はここまで成長しなかったかもしれません」。中山は当時を思い出し、そう語る。『採用担当』を通して、身につくものはコンサルティング能力だという。サービスをそのまま相手に売りつけるのではなく、まずは歯科医院が直面している問題や要望について耳を傾け、歯科医院が本当に求めている求職者の姿やそれに基づいた行動計画を提案していく。例えばパートタイムの歯科衛生士を希望していたとしても、実際は新卒の歯科衛生士を採用し、育成していくことが必要だったということもある。そういった提案をすることで歯科医師にサービスの必要性やメリットを理解してもらわなければならない。歯科医院からの信頼と期待を引き出してこそ、『採用担当』の価値が発揮されるのだ。「未来のクオキャリアの仲間には、『採用担当』をより質の良いものにしていってほしい」と話す中山の目は、もっと先を見据えていた。

「採用担当」篇

PROJECT MEMBER

  • 代表取締役
    中山 豊

  • カスタマーソリューション事業部
    マネージャー

    鎌田 康二

  • 事業開発事業部
    マネージャー

    杉崎 恵一

PROJECT 02